しあわせさがせ?

たらたら日記帳

司馬遼太郎のアンパンマン

司馬遼太郎風に書いてみるトピック

バタ子の目の前に、ひらり、と何者かが舞い降りてきた。
見ると、ひとである。
焼き上げたようにつやつやとした、丸すぎるほどの顔をもっている。
「おなかが空いているのかい?」
「空いている。」
とは、バタ子は言わない。
男が何も持っていないという事を、見て知っていたからである。
だが男は浸み透るような笑顔をつくり、恐るべき事を言った。
「僕の顔をお食べ。とってもおいしいよ」
(馬鹿にしている)
と、若いバタ子ですら思った。ひとの顔が、食べられるはずがないではないか。
だが男はそのまま顔をぐい、とひきちぎると、それをバタ子の手ににぎらせてきた。
瞬間、口にいれた。
(甘い。―。)
「ねえ、」
おいしいでしょう、という無邪気な男をみて、バタ子はなんだか、おかしくなった。
(このひと。)
(ほんとうに人なのかしら。―。)
だが人でないとすれば、一体何であろう。


あるいは、パンではないか。

そうそう、司馬遼太郎ってこんな文体なんだよ。
すげーバカだ。


元ネタ
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=757577&comm_id=4497&page=all