2006-05-02 風神の門 - 司馬遼太郎 review 伊賀忍者・霧隠才蔵が、ある女性との出会いから、 やがて豊臣対徳川の争いに加担していくという話。 忍者モノ小説では、一二を争うほどにカッコいい。 決してどこにも属さず、ただ己のみを味方とする 天才忍者の生き方、みたいなものを堪能できる。 風魔忍者との死闘や、家康寝所への潜入、 猿飛佐助との友情や、大阪夏の陣での山場。 そして場面ごとを彩る女性たちの話。 時代に翻弄されつつも運命を楽しむその姿が、 男の生き方の一つの完成形のように思える。