人生で一番美味い晩飯を食べてきました。そんな長い話。
高い値段だが非常に美味しい店があるとだけ聞いて、行ってみた。
住宅街の中にぽつんとあるカウンター8席だけの小さな飲み屋。
濃い桃鉄ファンなら「京都の特に名を秘すM」で分かるかも。
そして、予想通りメニューに値段が書いてない…
財布と相談して奮起し、無謀にも「大将におまかせ」しました。
つきだしでぷちぷちの超美味いイクラ醤油漬け…それが始まり。
続いて、霜降りトロ、ふぐのお造り、越前ガニまる茹で、ふぐ白子焼き、
もろこ焼き、いさぎ炙り、シャトーブリアンビフカツ、もろこしてんぷら、
松茸あわびカレー、そしてデザートに柿でした。当然全てが極上品。
美味くて何も言えなくて、未体験の歓喜で手がマジで震えてました。
あと大将も最高。包丁さばきが抜群で、焼酎ロックを頼んだら
包丁で、でかい氷をグラスに奇麗におさまる形に切り整えるし。
俺の全く知らない歌舞伎を面白く話してくれたりと話上手だし。
料理の説明を受けながら会話してると、何倍も飯がおいしく感じる。
が、罠はここから。
隣の席のワイン奢ってくれたおっちゃんと雑談していると、
なんか某有名食品会社の名誉会長だとか言ってるんですけど?!
その向こうの組は、某有名ホテルのオーナー婦人会?!
あれか、ここは知る人ぞ知る、天上人の集う名店ってやつなのか。
客同士で名刺交換が始まっている間、心底焦りまくり。
この場に俺がいるのがまずおかしいっ…なんだこれ…
俺の素性は明かさなかったけど、つか明かせるわけがない。
大将は、若かろうが一見さんだろうが飛び込みの一人客だろうが
歓迎すると言ってくれましたが(しかも全て当てはまっているし)、
正直、俺には過ぎた店だと痛感しました。きっと味も理解しきれてない。
ここは人生長年頑張った人だけが入店する資格のある店と思う。
後には、最上の満腹感とちょっと苦い感情が残りました。
また来れるか分からないけど、本物の味を知って本当に良かった。
頑張ってこの店にふさわしい人間になろうと決意されられましたわ。
ちなみに御会計は、沖縄往復余裕くらいでした。
でも内容考えたら安く感じるから凄いよなぁ…