しあわせさがせ?

たらたら日記帳

ボードゲームが届くまでに必要な仕事を想像してた

ゲームマーケット大阪が明後日に迫っていて、
ボドゲクラスタはこの話題で持ちきりだったりするのですが、

国内最大規模のテーブルゲーム即売会
ゲームマーケット2012大阪 3月4日 開催!
http://gamemarket.jp/modules/tinyd01/index.php?id=23

結局諦めて行かないことにしたので、でもゲームの話はしよう。
で、ここでは

ボードゲーム市場がめちゃくちゃ大きくなった時の職種」

を色々考えだしてみた。今の形で大きくなったと仮定して、
デジタルゲーム・出版・映画業界をヒントにして、
ゲーム作ったことすら無い俺が妄想をしたものです。

今後ゲームを作ろうとした時にどんなことをするべきか
自分の中で整理してみようとか思って
必要に迫られそうなことを書きだしてみた、が正確か。
つっこみあれば嬉しいかもです。

ボードゲームに関わる人の分類

発生しそうな作業を分解して、職業に当てはめてみた。

ゲームを考える人、整える人、世に出す人、造る人、
売る人、遊びやすくする人、あそぶ人の7分類で!

  1. ゲーム開発
    1. ルールデザイナー
    2. グラフィックデザイナー
  2. 商品開発
    1. プロダクトデザイナー
    2. エディトリアルデザイナー
    3. ルールブック編集
    4. 翻訳
    5. テスター・試遊
    6. (インストラクター)
  3. パブリッシャー
    1. ボードゲームプロデューサー
    2. 進行管理・プロジェクトマネージャー
    3. 伝道師・エヴァンジェリスト
    4. 宣伝・広報
    5. 営業
    6. 財務
    7. 法務
    8. マーケッター・プランナー
    9. スポンサード・資金調達
  4. 製作
    1. 印刷
    2. 製本
    3. コンポーネント作成
    4. (プログラミング)
    5. 梱包
  5. 販売
    1. 取次・卸売
    2. 輸入代行
    3. 小売店
    4. ネットショップ
    5. リサイクルショップ
    6. 配送
    7. (営業)
    8. (在庫管理)
  6. プレイヤーサポート
    1. イベンター
    2. インストラクター
    3. スペース提供サービス
    4. レンタル・ゲームシェアリング
    5. 貸し倉庫屋
    6. 評論家・批評家・レビュアー
    7. エヴァンジェリスト
    8. 学者
    9. 教材開発
  7. プレイヤー
    1. 遊ぶ人w

おかしい、書いても書いても終わらない。
絶対抜け漏れあるなこの表。重複もあるし。うーん…
ま、このへんの役割を一人で複数こなすのが普通かと。
詳細をもう少し詰めてみよう。

ゲーム開発

議論の余地なしですね。いわゆるボードゲームデザイナー。
ルールデザイナーと、グラフィックデザイナーに分けました。
絵かきとルールデザインはペアで作ってるとこ多いっぽい。

商品開発

プロダクトデザイナーはもうちょい認識されても良い気がする。
ブラッシュアップ担当というか、商品っぽくまとめる目は必要。
カードは左上に情報をまとめると見やすい、とかそういう助言。
本の装丁もこのへんかなぁ?

エディトリアルデザイナーは、デザイナーにリテイクを出せる人。
雑誌の編集者みたいな「それは分かりにくいので却下」の判断を
出すための専門の技術・知見は欲しい。商品化するなら。
やり過ぎると、作家と編集の争いみたいなよくある話にもw

ルールブック編集。これ切実に欲しいんですけど。
ボードゲームのルール複雑なのに、文字ばかりで解読大変。
箇条書き・フローチャートは必須なのに、それすら無いとか…
人数分の早見表つけたり、用語を統一したり、作業は多いはず。

翻訳家。これも普通の文芸翻訳家じゃなくて
ボードゲームの遊び方にならった独自技術のもの。曖昧表現却下。

テスター・試遊は、上記で形になったものを
フィードバックする人たち。抜け漏れは誰でもあるしねぇ。
ただ、テスト項目は標準仕様が必要かもしんない。
チューニングは、レベルデザイナーってのもあるらしい。

(インストラクター)は、後のプレイヤーサポートだけど
まぁ、実際に遊ぶときのルール説明する人です。しゃべる技術の人。
この開発のタイミングでもこの役割を持ってきたのは意図があって

「プロダクトデザイン・ルール編集・ルールブック作成・翻訳には、
 実際にゲームを説明する人の立場を汲み取って欲しい。」

という私の希望。システム的に楽しいかもしれんが、
ルール説明がしんどいのでやる気が無くなるとかよくある話ですぜ。
テストプレイよりも、もっと強力なフィードバックあるんじゃね。

パブリッシャー

ボードゲームプロデューサー、
ボドゲ的に一番足りないのはこの職種だと思います。
専門家は各方面にワラワラいるのですが、それを繋ぐ人が居ない。
方向性決めて、スポンサーや専門家を集められる人どこー?

進行管理・プロジェクトマネージャーは、
単純なスケジュールやタスク管理でもいいけど、
今どういう状況でどんな問題があって…を把握してる人。
商品をだすための継続的な管理努力って専門的なアレ。

伝道師・エヴァンジェリスト…うさんくせぇw
社会や他の娯楽などとの比較から、ボードゲームを分析し
こういうモノだ!って布教する説明が出来る人。
高橋名人や雑誌モデルみたいな有名人でもいいけど、
ビジネスチャンスを他の人に感じさせるきっかけを作れる人。

宣伝・広報は、伝道師とちょっと似ているけど
こっちは実際に遊ぶ人向け。広告代理店とかに近いのかなぁ。
もちろん、営業さんが細かく足で布教しまくるとかもある。
ことさら、ボードゲームなんてマイナー趣味だし力入れたいとこ。

財務。お金の計算出来る人。
損益分岐点の設定や、現在の収支、バランスシート読める人。
同人なら税金とか。というか最低赤字か黒字化把握してて
見積りから予算を作れる人。そのサイコロ高いからダメと言える人。

法務はなぁ・・・面倒くさいけど逃げちゃ駄目だろうな。
他のゲームからシステムを流用することで発展してきた業界だし。
ドミニオンの作者がデッキ構築の著作権主張したら死ぬぞ俺ら。
最近だと(将棋の)棋譜著作権が発生したって話も出てきたしね。
ボードゲームクリエイティブコモンズは早く作らないととは思う。

マーケッター・プランナー。企画つくったり需要調べる人。
一応企業なら欲しかろうぐらいで考えたんだけど、どうしよこれ。
いまドラフト流行なのでドラフトゲーム作りましょうとか猿やん。
あ、でもコラボ企画あるか。まどかマギカのゲーム作ろうとか。

スポンサード・資金調達。財団、公共団体、企業その他…金くれw
投資する価値をみせなきゃならないので、
プロデューサー・企画・財務あたりで頑張って捕まえよう。

製作

印刷屋さんにはとてもお世話になっております。
ボード・カード製作などに大活躍。私インク匂い中毒になったねw

コンポーネント作成も。人間型木のコマや色つきコインなど
ゲームの雰囲気を出す上で欠かせない演出はこれらのおかげです。
製本は、ルールブックや説明書の類。翻訳版がしょぼいとかよくある。

ポイントは(プログラミング)かなと。

ここまででルール作ったり整えたりしているけど、
別に紙とインクありきじゃないよね?デジタルゲームも同じ流れ。
iPadで出すのが前提にすると、製作の段階からは印刷必須じゃない。
Android含めて、ゲーム作るなら電子化は最初で検討したほうが…
というか、印刷・電子化両対応のゲームデザインってあるんだろね。

つくるなら、梱包までがお仕事です。
化粧箱に詰め込むにしてもゲームによってバラバラで
多品種少量生産。完全機械化は難しいけどバイト雇うのもどうだろ?
緩衝材とかまた大変そうだし。欠品あかんーw

販売

このあたりから馴染み深い印象。
輸入代行、小売店、ネットショップなど色んな「ボドゲのお店」から
ボドゲで遊びたいお客さんが購入する窓口、これが赤字で増えないと
お客さんが増えないという悪循環。頑張れ超頑張れ。

取次・卸売は、あってもいいかもなぁ。メビウスさんとことか?
今は小売店が別々にヨーロッパ等のメーカーと契約してるけど
日本で一括輸入する卸と、築地みたいな市場があれば良いかも。
出版業界と取次みてるとそれはそれで色々あるっぽいけど。

リサイクルショップは、まだ日本に一つだけですがアリアリ。
ヤフオクボドゲ探しもいいけど、個人相手はちょっと面倒くさい。
値踏みが物凄い難しいかと思いますが、倉庫で眠るよりいいこと。

ボードゲームの配送は…宅急便でいいか。
ただし輸入代行業とかで海外から共同配送することも視野に入れつつ。

もちろん、セールスマンがいたりする・・・のか?
倉庫管理は、カビたり重みで変形するのを避けたりやることは多い。

プレイヤーサポート

イベンター。パブリッシャーの広報でもオフ会でもいいけど
ボードゲームをイベントとして企画する人たち。
ボドゲ特有の運営ノウハウとかあると思うし、大会とか特にね。
盛り上がりを演出する・黒字化するお仕事。

インストラクター。いわゆるインスト(ルール説明)役。
ボードゲームは説明書一見したぐらいじゃルール全然分からんので
残念ながら説明役の人がどうしても必要なんです。
わかりやすく、かつ飽きさせない喋りがまた訓練のたまもの。

スペース提供サービス。場所貸しのほうが通りが良いか。
ボードゲームバー、カフェ、会議室、ショップの一角の試遊台とか。
卓を囲ってみんなで遊べる場所、ってきちんと確保せな無くなる。
究極は雀荘なんだけど、タバコと賭けで残念なので反面教師で。

レンタル・ゲームシェアリングって今あったっけ?
場所貸しのついでに近いかもしれないけど、ちょっと借りて遊ぶとか。
誰かが自腹で購入しないと遊べないとか負担重い。
どうせ1ゲーム数回しか遊ばない(?)ので、レンタル業あると便利。
共同購入だと所有権面倒だけど、複数ゲームの分担購入はよくある。
まぁ、やり過ぎると小売が死ぬという。

貸し倉庫屋。
ボードゲームにハマりだすと、とにかく場所をとるものだから
一般的な日本の家じゃすぐ詰まりだすよねー。
普通のレンタル倉庫でいいけど、ゲームスペースの側にあるとなお。

評論家・批評家・レビュアー。だいたいファミ通でおk
…言い過ぎました。でも、ボードゲーム界を広く深く知ってる人から
当該ゲームがどんな意味を持つのかを分析したり、褒めたり、
どれだけ面白いかを伝えることが出来る人。一般人ブログは限界が。
エヴァンジェリストは分類こっちでもいいか。

学者、って表現が適切かはわからないけど
ボードゲームは研究対象になりうると思うの。
社会科学・数学・文学・心理学・経済学と多岐に渡るし。
モデル化って学問の第一歩かなぁ。歴史も分かる。
遊びの学問っがもっと盛んになると個人的に楽ですw

教育にもつかえる。つーか企業研修でボードゲーム使うとこあるし。
一般的には、金持ち父さんのワークフローなアレだろうけど。
でも、パンデミックとかが新人研修で使われる例を聞くと
教材としてもとっても道が広がるのぅ。

プレイヤー

さぁプレイだ!遊ぶだけならここだけで良いw

ただ、ゲームが作られて手元に届くまで実は色々面倒っぽいので、
今、このへんを一手に引き受けている人たちには感謝してます。
ありがたく、明日からも楽しいひと時を過ごすよ!

参考:
『ヴォーパルス』制作ノート、プロダクションとパブリケーション編 - I was game
http://iwasgame.sakura.ne.jp/archives/857
同人ボードゲームの原価と発注の話 - Togetter
http://togetter.com/li/259743