朝、うつろな感じで目が覚めると台所から物音が。
うちは床がベニヤ一枚で地面に露出しているので
けっこう腐っているらしく、足音がするのです。
きしっ、きしっとな。
ふすまも立て付けが悪く、ついでにすきま風が吹くので
空気の流れがあるとガタッと音を立てます。
またふすまが音をしてるので、このボロ団地〜とか思ってた。
まだ頭は覚醒してない。
スッと、ふすまが少しだけ開いたような音。
妙な視線を一瞬感じたけど、またスッとふすまが閉じられた音。
このあたりで急に体が動かなくなる。
ひょっとして、これって金縛りって奴なんじゃないだろーか。
また風が吹いたのか、今度は玄関からキィっと音がする。
不意に風が止んだ。もう物音がしなくなる。
瞬間、体が動いて慌てて跳ね起きることに成功。
おそるおそるふすまを開けて、各部屋を探索するも誰もいない。
ああ、これが幽霊体験ってやつなのでしょうか。
正月にウートートーしたご先祖様か、はてまた季節外れのサンタか、
座敷わらしでも大歓迎ですよ。霊感が薄いらしい俺には出来過ぎた経験だ。
でも幽霊（仮）さん、願わくばせっかく戸締りしたドアの鍵を
空けたまま去っていくのは無用心ですね。気をつけてくださいよーｗ
・・・やっぱり泥棒だったのかなぁこれ。
めぼしい貴重品は無事だし、荒らされた形跡ないので良く分からんけど。
金縛りというより怖くて動けなかったや。うーん。
