しあわせさがせ?

たらたら日記帳

review

一日10分、通勤電車で「読むクスリ」―なるほどためになるマル得ヒント集 - 二見道夫

ビジネスマンのための社会生活レッスンのような、 自己啓発本を短い区切りでまとめていった本。 筆者が体験したり、見聞きした実話を元にしているので 突飛な例は少ないが、それゆえに現実味がある。 いかにもな格言が飛び交うビジネス本が多い中で こうこう…

夫婦茶碗 - 町田康

元ロッカーで芥川賞作家の作者が書く 退廃的で堕落に満ちている男の話が二編。 表題作の夫婦茶碗で、追い詰められた男が 妻や家族のためにメルヘン小説で一発あてようとして あーだこーだ脳内がふやけるような妄想をしているのが、 滑稽で、でも気味悪いほど…

暗いところで待ち合わせ - 乙一

視力を無くしてしまい、静かに生きている女性と 警察に追われ、女性宅に忍び込んだ男との奇妙な同棲。 盲目女性が身を守るために、侵入者を知らない振りし、 でもやがて言葉の無い、音だけのやり取りを始める このシチュエーションが静かで素敵だと思う。 声…

世に棲む日日〈1〉 - 司馬遼太郎

前半は吉田松陰、後半は高杉晋作を主人公に 幕末における長州の「暴発」を描いた小説。 吉田松陰があそこまで純粋な人だとは知らず、 その思想の大きさにはかなり恐れ入ります。 と同時に、当時の世相から来る悲劇と 魂を受け継いだ高杉晋作の奔走がかなりカ…

若きサムライのために - 三島由紀夫

学生運動真っ只中の昭和40年代の世相と日本を 三島由紀夫がぶった切るコラムと対談集。 有名な「お茶漬けナショナリズム」の話が聞けたのが 私にとってかなり収穫でした。 わざわざ海外まで行ってお茶漬け程度で 日本はいーねぇとかのんきな自国びいきでは…

ザ・ベリー・ベスト・オブ「ナンシー関の小耳にはさもう」100 - ナンシー関

ナンシー関さんがいろんな芸能人を切りまくって有名な 週刊朝日の連載「小耳にはさもう」のベスト版。 この方の着眼点はやっぱりすごいと思う。 ものすごい時間のテレビをチェックしている上に ちゃんと解析して自分の言葉で芸能人にツッコむ。 ベスト版のお…

国家の品格 - 藤原正彦

元理系で新田次郎氏の息子さんの筆者の書く日本論。 とても小気味良い感じで民主主義をこき下ろしてくれて 蹴落とす感じでもなく、読んでいて気持がよかった。 もちろん、共産主義がいいとかそういう意味ではなく 「武士道」と「情緒」こそが日本の行くべき…

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ - 滝本竜彦

平凡な高校生の前に、チェーンソー男と戦う 謎の美少女が現れて、巻き込まれつつも立ち向かう話。 テーマ的に結構おもしろいかと思います。 思春期時代の、目に見えない変なもどかしさが チェーンソー男という具体的な敵の形で現れ、 葛藤しながら倒していく…

歴史から何を学ぶべきか―教養としての「日本史」の読み方 - 小和田哲男

単純な歴史書ではなく、歴史との付き合い方を 歴史学や多くの事例から考えていく本。 故事から無理やり何かの教訓を得ようとする姿勢に 真っ向から批判しているのが個人的には好印象です。 過去の事例をそのまま当てはめると無理があるので、 前後の流れから…

白洲次郎の生き方 - 馬場啓一

戦後、日本復興のためにGHQと互角以上に渡り合った 物言う日本人、白州次郎の生き方を研究した本。 白州次郎本人の経緯を記述した部分はかなり少なめで、 白州次郎の愛した趣味、紳士服・酒・車についての それぞれの歴史的解説が多めの本です。 それこそ…

古事記 - 角川書店

日本で一番最初の書、古事記の現代語訳。 書き下し文と現代語訳が並列しているので読みやすい。 昔の日本の神々は、ギリシャの神々のような 人間臭い失敗や行動を繰り返す楽しい方々。 有名なイザナギイザナミの二神以外にも 愉快な神々が多いらしく、古事記…

東一局五十二本場 - 阿佐田哲也

麻雀の世界では知らない人のいない雀鬼の書いた 戦後の麻雀・ギャンブラーの世界の小説。 表題作にもなった五十二本場とかありえないと思いきや 読んでみて納得。確かにこういう勝負ならありうる。 全体的に、勝負師の哲学が随所ににじみ出るというか 極限の…

YOSAKOIソーラン祭り―街づくりNPOの経営学 - 坪井善明, 長谷川岳

札幌YOSAKOIソーラン祭りを考え出し、それを開催、 さらに全国規模の大きな祭りに育てた筆者のまとめ。 高知のよさこい祭りに感化された一大学生が企画し、 街・企業・商店街・その他多くの人たちを巻き込んで どんどん祭りの規模が大きくなっていくに至るま…

武士道―人に勝ち、自分に克つ強靭な精神力を鍛える - 新渡戸稲造, 奈良本辰也

旧五千円札で馴染みの新渡戸稲造が英語で書いた、 海外の人向けの武士道解説本の日本語翻訳。 武士道が理解しにくい外国人向けの書物なので、 かなり丁寧に、基本原理から順を追ってまとまってる。 単純な日本人スバラシーハラキリワビサビではなく、 聖書や…

「できる人」の話し方&コミュニケーション術 なぜか、「他人に評価される人」の技術と習慣 - 箱田忠昭

外資系社長からビジネスコミュニケーションの専門家へ 転進していった筆者の提案するコミュニケハウツー本。 できるできないはコミュニケーション能力の差であり、 それは話し方等を工夫すれば磨けるとのこと。 色々テクニックを使えばビジネスでもプライベ…

だめだこりゃ - いかりや長介

あのドリフターズのいかりや長介の送った人生を 本人みずからがつづっていく自伝。 当然物書きは本業ではないので、表現が淡々としてるが ドリフが好きな人ならすぐにシーンが思い浮かぶ。 少年時代育ってきた環境からや結成当時の苦労話、 全員集合の舞台裏…

人は見た目が9割 - 竹内一郎

コミュニケーションは、言語以外の部分がより重要。 その辺の例をふんだんに並べ説いていくといった趣旨。 筆者が漫画原作(哲也・さいふうめい)をやっていたり 舞台演出を手がけている経緯から、漫画・舞台の話が かなりたくさんあります。むしろそっちが…

CM化するニッポン―なぜテレビが面白くなくなったのか - 谷村智康

博報堂や外資コンサルティング会社を経てきた筆者が、 マスコミがいかに広告のためにあるかというのを暴露。 テレビや新聞で広告収入を得るための、あの手この手の 生き馬の目を抜くよなマーケティングが紹介されており 知らないうちに広告漬けにされてる現…

ライト、ついてますか―問題発見の人間学 - ドナルド・C・ゴース, G.M.ワインバーグ, 木村泉

人がなんらかの問題を解く場面に出会ったとき、 いきなり解かずに、まず問題について考えよという本。 「何が問題か」「本当の問題は何か」「誰の問題か」 「どこからきた問題か」「本当に問題を解きたいのか」 などの視点から、例を示し、格言を並べていく…

世界の日本人ジョーク集 - 早坂隆

国ごとの人間の特徴をうまく捉えたジョークの中で 日本人がでてくる部分を集めて、色々解説する本。 レストランで出てきたスープにハエが入っていたら?ドイツ人は加熱殺菌されているから避ければ大丈夫と考える。 フランス人は蝿を潰して出汁をとって飲む。…

千円札は拾うな。 - 安田佳生

ワイキューブってベンチャーの社長さんが、経営論や 発想の仕方から常識に囚われない生き方を啓蒙する本。 タイトルの意味は「目先の千円札を得るよりも、 これをあえて捨ててでも将来の万札を狙え」てな感じ。 常識の殻を破るために筆者がしてきたことや考…

社会人から大学教授になる方法 - 鷲田小彌太

現役大学教授の筆者が考える、社会人から大学教授へ 転職するためのノウハウ・ハウツー・心構えなど。 「大学教授になる方法」などの著作経験を活かして、 相談された豊富な事例から、色んなケースにおいて 詳細に述べられており、大学教授になりたい人には …

魍魎の匣 - 京極夏彦

世に有名な京極堂シリーズ第二段。 美少女転落事件とバラバラ殺人にまつわる人々の話。 伏線や周辺知識、人物の相関関係の練りこみが半端なく、 霊能力や妖怪などへの造詣が独特の雰囲気を醸す。 そしてちらばる話の断片が最後に繋がっていくという ミステリ…

俺たちのR25時代 - R25編集部

R25という2,30代男性対象のフリーペーパーで 特に人気のある「つきぬけた瞬間」の連載まとめ読み。 有名人が、20代後半どう苦しんだかを紹介してます。 面子はなかなか凄い。 哀川翔、井筒和幸、糸井重里、忌野清志朗、奥田民生 唐沢敏明、九重親方、…

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 - 竹内薫

仮説、思い込みや常識的な思考に、いかに人々が 捕らわれてきたかを、科学ネタを通じて示している本。 「飛行機はなぜ飛ぶのか?実はまだよくわかってない」 というプロローグのおかげで、分かりやすかった。 科学は全然万能ではなく、そうなんだろーなぁと…

ビール職人、美味いビールを語る - 山田一巳, 古瀬和谷

長年キリンビールの技術開発部門に勤めて 「一番搾り」などの開発に携わったビール職人の話。 一職人からみたキリンビール、ひいてはビール業界史を 俯瞰するのに絶好な本かなと思います。 ビールの造り方から工場の様子、他者との競争から 引退して地ビール…

mixiのレビュー移植計画

しあわせさがせ? - レビュー一覧 mixiで今まで書いてきた本やDVDのレビューを、はてなに移してみた。 ここ2,3日で急にアマゾンへのリンクがぶわーっと増えたけど、一過性。 コピペは非常に面倒くさかったが、いったんはてな日記に移せたなら Movable …

きみにしか聞こえない - CALLING YOU

「切ない」って言い方がやっぱり一番似合う。 3編の短編どれも良いけど、特にCalling Youとか。 寂しさに飢えた主人公が 架空の携帯を持つところから話が始まり、 最後の結末が分かっているのに必死になる姿に、 いつの間にか引き込まれました。切ない。

言いまつがい - 糸井 重里, ほぼ日刊イトイ新聞

糸井重里主催、ほぼ日刊イトイ新聞ってサイトの 人気コーナーの単行本化したもの。 ゆえに、ネタはけっこうウェブでも確認できる。 けど、本で見ると違う。まとめて読みやすい。 出来はもちろん折り紙つき、声に出して笑える。 例えば「ざっくらばん」って、…

最後の将軍―徳川慶喜 - 司馬遼太郎

徳川慶喜のイメージが一変した本。 余りに高すぎる予見能力と、独特の生い立ちが 慶喜の人物と当時の奇妙とも言える行動を支え、 ついには自ら幕府を葬り去るに至るまでを描く。 維新志士側からは分からない、彼の哲学に感銘。 幕府側最大の、明治維新の立役…