review
ビジネスマンのための社会生活レッスンのような、 自己啓発本を短い区切りでまとめていった本。 筆者が体験したり、見聞きした実話を元にしているので 突飛な例は少ないが、それゆえに現実味がある。 いかにもな格言が飛び交うビジネス本が多い中で こうこう…
元ロッカーで芥川賞作家の作者が書く 退廃的で堕落に満ちている男の話が二編。 表題作の夫婦茶碗で、追い詰められた男が 妻や家族のためにメルヘン小説で一発あてようとして あーだこーだ脳内がふやけるような妄想をしているのが、 滑稽で、でも気味悪いほど…
視力を無くしてしまい、静かに生きている女性と 警察に追われ、女性宅に忍び込んだ男との奇妙な同棲。 盲目女性が身を守るために、侵入者を知らない振りし、 でもやがて言葉の無い、音だけのやり取りを始める このシチュエーションが静かで素敵だと思う。 声…
前半は吉田松陰、後半は高杉晋作を主人公に 幕末における長州の「暴発」を描いた小説。 吉田松陰があそこまで純粋な人だとは知らず、 その思想の大きさにはかなり恐れ入ります。 と同時に、当時の世相から来る悲劇と 魂を受け継いだ高杉晋作の奔走がかなりカ…
学生運動真っ只中の昭和40年代の世相と日本を 三島由紀夫がぶった切るコラムと対談集。 有名な「お茶漬けナショナリズム」の話が聞けたのが 私にとってかなり収穫でした。 わざわざ海外まで行ってお茶漬け程度で 日本はいーねぇとかのんきな自国びいきでは…
ナンシー関さんがいろんな芸能人を切りまくって有名な 週刊朝日の連載「小耳にはさもう」のベスト版。 この方の着眼点はやっぱりすごいと思う。 ものすごい時間のテレビをチェックしている上に ちゃんと解析して自分の言葉で芸能人にツッコむ。 ベスト版のお…
元理系で新田次郎氏の息子さんの筆者の書く日本論。 とても小気味良い感じで民主主義をこき下ろしてくれて 蹴落とす感じでもなく、読んでいて気持がよかった。 もちろん、共産主義がいいとかそういう意味ではなく 「武士道」と「情緒」こそが日本の行くべき…
平凡な高校生の前に、チェーンソー男と戦う 謎の美少女が現れて、巻き込まれつつも立ち向かう話。 テーマ的に結構おもしろいかと思います。 思春期時代の、目に見えない変なもどかしさが チェーンソー男という具体的な敵の形で現れ、 葛藤しながら倒していく…
単純な歴史書ではなく、歴史との付き合い方を 歴史学や多くの事例から考えていく本。 故事から無理やり何かの教訓を得ようとする姿勢に 真っ向から批判しているのが個人的には好印象です。 過去の事例をそのまま当てはめると無理があるので、 前後の流れから…
戦後、日本復興のためにGHQと互角以上に渡り合った 物言う日本人、白州次郎の生き方を研究した本。 白州次郎本人の経緯を記述した部分はかなり少なめで、 白州次郎の愛した趣味、紳士服・酒・車についての それぞれの歴史的解説が多めの本です。 それこそ…
日本で一番最初の書、古事記の現代語訳。 書き下し文と現代語訳が並列しているので読みやすい。 昔の日本の神々は、ギリシャの神々のような 人間臭い失敗や行動を繰り返す楽しい方々。 有名なイザナギイザナミの二神以外にも 愉快な神々が多いらしく、古事記…
麻雀の世界では知らない人のいない雀鬼の書いた 戦後の麻雀・ギャンブラーの世界の小説。 表題作にもなった五十二本場とかありえないと思いきや 読んでみて納得。確かにこういう勝負ならありうる。 全体的に、勝負師の哲学が随所ににじみ出るというか 極限の…
札幌YOSAKOIソーラン祭りを考え出し、それを開催、 さらに全国規模の大きな祭りに育てた筆者のまとめ。 高知のよさこい祭りに感化された一大学生が企画し、 街・企業・商店街・その他多くの人たちを巻き込んで どんどん祭りの規模が大きくなっていくに至るま…
旧五千円札で馴染みの新渡戸稲造が英語で書いた、 海外の人向けの武士道解説本の日本語翻訳。 武士道が理解しにくい外国人向けの書物なので、 かなり丁寧に、基本原理から順を追ってまとまってる。 単純な日本人スバラシーハラキリワビサビではなく、 聖書や…
外資系社長からビジネスコミュニケーションの専門家へ 転進していった筆者の提案するコミュニケハウツー本。 できるできないはコミュニケーション能力の差であり、 それは話し方等を工夫すれば磨けるとのこと。 色々テクニックを使えばビジネスでもプライベ…
あのドリフターズのいかりや長介の送った人生を 本人みずからがつづっていく自伝。 当然物書きは本業ではないので、表現が淡々としてるが ドリフが好きな人ならすぐにシーンが思い浮かぶ。 少年時代育ってきた環境からや結成当時の苦労話、 全員集合の舞台裏…
コミュニケーションは、言語以外の部分がより重要。 その辺の例をふんだんに並べ説いていくといった趣旨。 筆者が漫画原作(哲也・さいふうめい)をやっていたり 舞台演出を手がけている経緯から、漫画・舞台の話が かなりたくさんあります。むしろそっちが…
博報堂や外資コンサルティング会社を経てきた筆者が、 マスコミがいかに広告のためにあるかというのを暴露。 テレビや新聞で広告収入を得るための、あの手この手の 生き馬の目を抜くよなマーケティングが紹介されており 知らないうちに広告漬けにされてる現…
人がなんらかの問題を解く場面に出会ったとき、 いきなり解かずに、まず問題について考えよという本。 「何が問題か」「本当の問題は何か」「誰の問題か」 「どこからきた問題か」「本当に問題を解きたいのか」 などの視点から、例を示し、格言を並べていく…
国ごとの人間の特徴をうまく捉えたジョークの中で 日本人がでてくる部分を集めて、色々解説する本。 レストランで出てきたスープにハエが入っていたら?ドイツ人は加熱殺菌されているから避ければ大丈夫と考える。 フランス人は蝿を潰して出汁をとって飲む。…
ワイキューブってベンチャーの社長さんが、経営論や 発想の仕方から常識に囚われない生き方を啓蒙する本。 タイトルの意味は「目先の千円札を得るよりも、 これをあえて捨ててでも将来の万札を狙え」てな感じ。 常識の殻を破るために筆者がしてきたことや考…
現役大学教授の筆者が考える、社会人から大学教授へ 転職するためのノウハウ・ハウツー・心構えなど。 「大学教授になる方法」などの著作経験を活かして、 相談された豊富な事例から、色んなケースにおいて 詳細に述べられており、大学教授になりたい人には …
世に有名な京極堂シリーズ第二段。 美少女転落事件とバラバラ殺人にまつわる人々の話。 伏線や周辺知識、人物の相関関係の練りこみが半端なく、 霊能力や妖怪などへの造詣が独特の雰囲気を醸す。 そしてちらばる話の断片が最後に繋がっていくという ミステリ…
R25という2,30代男性対象のフリーペーパーで 特に人気のある「つきぬけた瞬間」の連載まとめ読み。 有名人が、20代後半どう苦しんだかを紹介してます。 面子はなかなか凄い。 哀川翔、井筒和幸、糸井重里、忌野清志朗、奥田民生 唐沢敏明、九重親方、…
仮説、思い込みや常識的な思考に、いかに人々が 捕らわれてきたかを、科学ネタを通じて示している本。 「飛行機はなぜ飛ぶのか?実はまだよくわかってない」 というプロローグのおかげで、分かりやすかった。 科学は全然万能ではなく、そうなんだろーなぁと…
長年キリンビールの技術開発部門に勤めて 「一番搾り」などの開発に携わったビール職人の話。 一職人からみたキリンビール、ひいてはビール業界史を 俯瞰するのに絶好な本かなと思います。 ビールの造り方から工場の様子、他者との競争から 引退して地ビール…
しあわせさがせ? - レビュー一覧 mixiで今まで書いてきた本やDVDのレビューを、はてなに移してみた。 ここ2,3日で急にアマゾンへのリンクがぶわーっと増えたけど、一過性。 コピペは非常に面倒くさかったが、いったんはてな日記に移せたなら Movable …
「切ない」って言い方がやっぱり一番似合う。 3編の短編どれも良いけど、特にCalling Youとか。 寂しさに飢えた主人公が 架空の携帯を持つところから話が始まり、 最後の結末が分かっているのに必死になる姿に、 いつの間にか引き込まれました。切ない。
糸井重里主催、ほぼ日刊イトイ新聞ってサイトの 人気コーナーの単行本化したもの。 ゆえに、ネタはけっこうウェブでも確認できる。 けど、本で見ると違う。まとめて読みやすい。 出来はもちろん折り紙つき、声に出して笑える。 例えば「ざっくらばん」って、…
徳川慶喜のイメージが一変した本。 余りに高すぎる予見能力と、独特の生い立ちが 慶喜の人物と当時の奇妙とも言える行動を支え、 ついには自ら幕府を葬り去るに至るまでを描く。 維新志士側からは分からない、彼の哲学に感銘。 幕府側最大の、明治維新の立役…